義手の概要

義手は一般的に、医師の診断と義手装具士による採寸・製作により、一人ひとりにあったものが作られます。作成後はおよそ2、3か月をかけて、基本的な操作や日常生活での使用ができるように訓練を行います。
また、切断部によって義手の名称と形状が大きく変わります。

手義手

手や指の関節を切断された方は手義手を使用します。シリコン製で装飾用の義手が多く販売されています。

前腕義手

肘から手首の間で切断された方は前腕義手を使用します。腕を個人に合わせて作成されたソケットにはめ込み、義手を使用します。

肘義手

肘の関節で切断された方は前腕義手を使用します。前腕義手と同様に、腕をソケットにはめ込み使用します。操作が可能な義手の場合、前腕とハンドのついたユニットが肘継手で接続されていて、肩に装着するハーネスで肘の曲げ伸ばし等の操作を行います。

上腕義手

肩から肘の間で切断された方は上腕義手を使用します。肘義手と同じように装着し、ハーネスで肘から先を操作します。

肩義手

肩関節、肩甲胸郭関節で切断された方は肩義手を使用します。ベルトで体に固定するものが多く、操作できる義手は、肘継手に加えて肩にも肩継手が組み込まれ可動するようになっています。

従来の義手

作業用義手

義手の先端に専用の器具が取り付けられ、特定の作業をしやすくするための義手です。そのため、外観は人間の腕とは異なる形状となってしまいます。

能動義手

肘や手の開閉といった動作を、肩や体に装着したハーネスを用いて再現する義手です。両手を使った動作が可能になりますが、習熟時間を要す点や把持握力が弱い点、腕の形状が再現されないといった問題点があります。

装飾用義手

腕の外観の再現を目的とした義手です。義手本体を動かすことはできないため、生活の中の動作は反対の腕を使って行うこととなります。

写真:一般社団法人日本義肢協会「義肢の分類・種類」より転載

筋電義手

筋肉が収縮する時に発生する電気信号である筋電位信号を読み取り、ハンドユニットに組み込まれたモーターを駆動させることによって、手の動きを再現する義手です。
筋電義手の使用には能動義手のようなハーネスの装着・操作が不要なため、強い把持力実用性を持ちます。人間の腕と同様な外観と動作を再現できることから、近年急速に普及しています。様々な企業が開発を行っており、最先端技術を取り入れたり、デザインが工夫されたモデルも多く登場しつつあります。

筋電義手は重さが重い、筋電位を読み取る電極を皮膚に取り付けるため装着感が悪い等のデメリットがありましたが、ALTsの義手では最適化された造形、独自開発の筋電センサー技術によりこれらの問題点を克服しています。